ウージェーヌ・ドラクロワ
「民衆を導く自由の女神」
ドラクロワの作品に「キオス島の虐殺」と「サルダバナールの死」がある。この2作品から感じるのは死に行く人々と残虐さで、あまりの生々しさに酷評されたがドラクロワが表現したかったのはは残虐さではなかった。その中に映る生のエネルギーこそ彼が描きたかったものだ。
そんな思いから描かれた「民衆を導く自由の女神」は、まさに人々の生のエネルギーに満ちている。ドラクロワは1830年に起こった七月革命で民衆のエネルギーを目の当たりにしたのだろう。キャンバスにはエネルギーが満ちているが、三色の国旗を掲げる女神は寓意的で生々しさを抑えている。